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【21】医療者のメンタルヘルスケア
失望との戦い・大きい理想を持っている医療者へ




■失望との闘い 
 大きな理想を持っている人ほど、この問題は大きい

さて、医療者の心を守る、というテーマで考えたときに、
避けては通れないひとつの大きな問題を考えてみたいと思います。

それは、「失望」という心をどのようにコントロールし、
乗り越えていくか、ということです。

大きな理想を持って医療現場に来た方ほど、
この問題はかなり大きな壁となって現われてくるように思います。

医療の現場では、病気を持つ人やその家族と関わるため、
なかなか建前だけでは話が進みません。関わるのは個人だけではなく、
家族や親戚、社会的な背景にまで入り込むこともあり、
複雑になってきます。

こちらがよかれ、と思って行ったことでも、
相手にとっては、迷惑なこともあるでしょう。
誤解されたり、理不尽なことで怒られたり、
批判されることもあります。

癌を告知するとき、癌という言葉を使ったために、
家族が激怒したこともありました。
具合が悪くなるのは時間に関係がないのだから、
24時間、いつ何時でも、病院に来るべきだ、
と無理な要求をされる方もいます。
世の中には、本当にいろんな人がいます。

医療現場に高い理想を抱いている場合、
現実のあまりの困難さ、
理不尽さに耐えられなくなってくることもあります。
期待していただけになおさらです。

自分なりに反省して、そういうこともあるさ、と、
気持ちをすぐに切りかえられる人ならば、
それほど追い込まれないのですが、真面目すぎたり、
完全主義的な傾向がある人は、些細なことであっても、
その手の落ち込みからはなかなか脱出できません。

うまくいかない自分に対して失望したり、
人に対して失望したりすることも多くなってきます。
この「失望」という心は、思いのほか、
自分の精神状態を悪化させるものだと知っておいた方がいいように思います。

ときには限界を超えて、医療職を去っていく方もいます。
私自身も、この問題とは常に闘い続けている毎日です。
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