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【3】医療者のメンタルヘルスケア
医療者が心を病む原因・ストレスマネージメントの重要性




■ 医療者が心を病む原因

 1)自分が思い描く理想と、現実のギャップ
 2)過酷な労働条件
 3)世間の医療を見る目の厳しさ

私は平成6年に自治医科大学を卒業し、今は二次救急指定病院の勤務医です。
その中で、医療者の心を守りたいな、と思ったことが何度もありました。

今、医療現場では、何が起こりつつあるか、ということですが、
自分が思い描く理想の医療と、現実のギャップに悩んで、
心を病んでいく医療者が増えています。

また過酷な労働条件についていけなくて、
身体も心も余裕をなくしている医療者が目立ちます。

うつ状態に陥って休職を余儀なくされる医療者や、
重圧に耐えきれず自殺してしまう医療者が増えてきている今、
医療者に対するストレスマネージメントが急務になってきています。

最近ではそれに加え、世間の医療を見る目の厳しさもあります。
医療の現場は、人と人との良好なコミュニケーションが基本なのに、
お互いに心を開かず、警戒心や不信の中で医療が行われることが
目立つようになってきました。これは、いいことではありません。

この記事へのコメント
 私は看護師です。あと少しで退職し、しばらく仕事はせず休む予定です。
 私のいる病棟では、細かな観察、看護が必要とされ、緊張状態が続くこともしばしば、ストレスフルです。 つい先日、チームの一つのミス(致命的なミスではありませんでしたが、効果的な治療にならず、症状を悪化させたことがありました)により、仕方のないことですが、患者さんの家族の不信感、憎しみは強く、それまでに誠心誠意してきた看護が無駄になったと、絶望感で一杯です。その家族の方の表情や言葉、それ以上にその患者さんの苦しい表情が頭から離れません。
 私は、スタッフがしたミスに早く気がつけば、症状の悪化は防ぐことができたという立場にありましたが、知識の不足、チェックの不足が問題であったと感じ、深く罪を感じています。自分に価値はないと落ち込むばかりです。もう死んでしまいたいとも思います。
 この気持ちは誰に話していいものか分からず、このホームページを見つけ、趣旨がずれたコメント内容とは思うのですが、書き込んでしまいました。許してください。
 スタッフ間でもミスをした者、それに気がつかなかった者が悪いということにしか話は及んでおらず、職場では本当の気持ちは話せません。
 何か私にお返事いただけると嬉しいです。
 


 
Posted by 「看護師」 at 2006年03月28日 21:12
「看護師」さん、

医療者のためのメンタルヘルスケアの管理人
ちーひめです。

28日にメッセージ残してくれてたんですね。
もっと早く気づいてあげたらよかった。
本当に辛かったですね。

患者さんの顔が浮かぶというのが、
ほんとに身につまされました。
それは、それは、ほんとに苦しいですね。

わたしたちは、完璧じゃないから
目に見える形で、または見えない形で
多くの人を傷つけてしまうこともあります。
だけど、同時に、それを苦しみ、
なんとか人のために役に立ちたいと願い
懸命に生きているのも、私達人間ではないでしょうか。

自分を許すということは、限りなく勇気がいることで
しかも、急にできることではありません。

「看護師」さんも、しばらく苦しみのなかに
いることになるかもしれません。

でもね、私は感じます。
そういう経験を通して、人は強くなり、優しくなるのだと。
人を裁かなくなるのだと。

今は苦しいと思います。
毎日、毎日、を生きて過ごすのも辛く
叫び出したくなるときもあるかもしれません。
自分が情けなく、苦しく、逃げ道がなくて息ができないような
そんな気がするかもしれません。

でも、生きてくださいね。
こうして出会った「看護師」さんに、
私はなんらかの縁を感じるのです。

つらくても、1日、1日を粘って耐えて、
なんとか生きてください。
生きるだけでいいから、辛いなかを耐えて
1日、1日を、一時間一時間、
一分一分を生きてください。

今、「看護師」さんのように
苦しむ医療者がたくさんいます。
マスコミでも、医療ミスと騒ぎたてることが多く、
一生懸命に人を救いたいと思って
頑張っている人ほどに燃え尽きたりしています。

「看護師」さんがこれだけ苦しんでいるということは
「看護師」さんにそれだけの責任感と
良心があるということ、 それだけ、あなたが
素晴らしい看護師だということです。

耐えてください。
そして、これから同じ経験をして苦しむ医療者の心を
その愛で救ってあげて下さい。

わたしのサイトのなかで、
もしかしたら、「看護師」さんが関心を持つかもしれない記事を
紹介させてもらいます。

まず、http://healtymind.seesaa.net/ のなかの
精神科の泉和秀の
患者さんを救えなかった悔恨についても書いてあるところ

http://healtymind.seesaa.net/category/1131463.html

それから、http://healthybodymind.seesaa.net/ のなかの
医療者の心を守る、関連の記事

http://healthybodymind.seesaa.net/article/10373511.htm

精神科医の泉和秀、内科医の舘有紀,
二人とも、とてもとても忙しく
返事に暫く時間がかかるかもしれませんが
このメッセージを伝えさせていただきます。
返事がきたら、すぐに御知らせしますね。

そのとき、この内容を質疑応答のような形ででも
サイトにアップさせていただけたらと思います。

同じことで苦しんでいる多くの医療者が、
日本各地にいると思うと、
こうして勇気を出してくれた「看護師」さんの質問のおかげで
生きる希望が出る人だって沢山いると思うのです。

「看護師」さんとの縁に、心から感謝します。

ちーひめ
Posted by ちーひめ at 2006年04月01日 01:00
「看護師」様
コメント、ありがとうございます。
「看護師」さんはきっと、医療の仕事に信念を持っていらして、真面目に患者様のために今まで努力してこられたのですね。その場面が浮かんでくるようです。今回は非常にお辛い思いをなさったようですね。でもよく考えてみると、過去、「看護師」さんの真摯な看護のおかげで、数えきれないくらいの患者様やご家族がよくなっていると思います。人って、自分が相手のためにしてあげたことって、なかなか覚えていないものです。でも失敗やミスはいつまでも覚えているものです。「看護師」さんの文面から想像するに、「看護師」さんに助けられた人の数の方が圧倒的ではないかと思います。できれば気持ちが落ち着いたら、今まで真摯に接して来られた患者様の笑顔を思い出されるといいのではないかと思います。
また、少し医療現場から離れる選択は、正しいと思います。私も同じ立場だったら、きっと少し離れて、時間の流れに身を任せながら、生きる力、勇気、希望が少しずつ出てくるまでじっと待つだろうと思います。それは1年かかるか2年かかるか分かりませんが、自分を許しながら、じっと待つことをお勧めします。医療者って、人生のどこかで、そのような時間が必要なのではないかなと思っています。
また、こうも思うのです。このままストレスフルな生活を続けていたら、もっともっと精神状態が悪化してしまっていたかもしれません。ですから今回のきっかけは、お辛いことだとは思いますが、視点を変えて、天から与えられた大切な時間だと思うといいのではないでしょうか。私はいつもそのような視点の変換をすることで、困難を乗りきっています。病気になった場合は、休息の時間が与えられたと思い、少し医療現場を離れる出来事があった場合は、少しゆっくりできる時間を与えられたと思うわけです。
どうか、絶望しないで下さい。今は難しいかもしれませんが、いずれ自分を許す境地になって下さい。辛い時期は長くは続きません。どうか、時間を耐えて、生きる勇気と希望が出てくるまで粘って下さい。心より、それを願っています。
参考になると思いますが、関連サイトの、
心の病について考えよう! をのぞいてみて下さい。乗り越えるヒントが得られると思います。
また、同じく、「心のハンカチーフ」のエッセイの中にも、ヒントがあるかと思います。
一度、読んでいただければ幸いです。
Posted by tate at 2006年04月01日 23:58
医療の世界にいると、知識の不足に対する恐怖感からはなかなか逃れることができま
せん。
当然、知っておくべきということも数々あるのですが、どこまで知っておくべきなの
か、よくわからないところもあります。
また、知っていなくても、だからと言ってその仕事が自分から免除されることはな
く、仕事は与えられ続けます。
そのために、患者さんたちには治療を遠回りさせてしまったこと、あるいは悪化させ
てしまったこと、ときには生命にまで影響を及ぼしそうになったこと、思い出すだけ
で、思わず涙が溢れてきます。
先日も人前でそうしたお話をしていると、自分ではそんなつもりもなかったのに、思
わず涙が溢れてきて、きっと魂の中にその悲しみを感じていたんだろうなと思い、自
分でも驚きました。

私自身は、そんな悔恨の中で、最初はそのことから目を背けて考えないようにしまし
た。
正直に目を向けると、やっぱり、「看護師」さんのように耐えがたい気持ちに襲われて、
自分自身を支えられなくなりそうでしたからね。
でも、私もね、やっぱり自分の中で消化しきれないものがあって、私はこのように考
えるようになりました。
もうその方にはもう直接に何かして差し上げて何かを返すことはできないかもしれな
いけれど、その分、自分自身はこれからの毎日を真剣に生きて、より患者さんの心を
幸せにするためにできることをしていこう。
その毎日の真剣な姿勢によって、なんというか、許しを得ていこうってね、そう思い
ました。

今はね、ゆっくりと休まれるといいかなと思います。
でもね、もし少しでも余裕ができたなら、アルバイトでも何でもいいから、何かしな
がら過ごした方がいいかもしれません。
心は休養を欲していますが、あまり休んでいると、どうしてもその辛さに囚われてし
まう心から脱しがたいかもしれません。
何かをしているうちに、「看護師」さんの苦しみや悲しみも少しずつ和らいでくるかも
しれません。

本当に辛いときは辛いけれど、粘ってくださいね。
とっても孤独に思うかもしれませんが、こうしてね、自分の心をつながってくれよう
とする人たちがいる限り、この世界でもう少し粘ってほしいと思います。
今は全く思えないと思いますが、これを乗り越えたとき、「看護師」さんの本当の幸せ
な人生が待っていると思います。

Posted by 泉和秀 at 2006年04月02日 11:23
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